あなたにとって「仏様」はどんな存在ですか?
この記事では、仏法の世界を守護する文殊菩薩(もんじゅぼさつ)について解説していきます。
「仏様を知る」ことや「仏様を身近に感じる」ことは、「自分を知る」ための第一歩となるかもしれません。
この記事が、あなたの人生をより楽しむためのひとつのレシピとなれば嬉しいです♪
このことわざには、1人では解決できないことでも、3人集まって協力すれば、文殊菩薩様のように素晴らしい解決策を思いつけるっていう意味なんだよね。
頭がいい人は、文殊菩薩様に守護されているから頭脳明晰ってことなのかしら~。
文殊菩薩は「知恵」を司る仏様として信仰されていて、合格祈願や学業成就で人気があります。
ここでは、他の神仏との関係や真言、ご利益、祀られているお寺、守護されている人の特徴など、さまざまな観点から詳しく解説していきます。
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文殊菩薩(もんじゅぼさつ)は何の神さま?

文殊菩薩は、智恵を司る仏とされており、学業成就や合格祈願で人気がある仏様。
正式名称は文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)といいます。
独尊で祀られることもありますが、釈迦如来の左に侍し、普賢菩薩とともに3尊で並んでいる構図が有名です。
文殊菩薩は仏様?|知恵を司る菩薩としての役割がある
文殊菩薩は、学業向上や合格祈願のご利益で有名です。
広く解釈されて「知恵」を司るとして信仰されてきましたが、本来は「智慧」、つまり、物事のあり方を正しく見極める力、判断力、悟りを開くために必要な力を司る菩薩です。
この「智慧」とは、単純に知識がたくさんあるということとは違い、「考える力、物事の本当の姿を知ることのできる力」のことを表しています。
また菩薩とは、「悟りを求める人」を指し、仏の位の次にあり、悟りを求め、衆生を救うために多くの修行を重ねる者という意味があります。
みんなを手助けするために、頑張る人って尊敬しちゃう!
文殊菩薩は、仏教の教えを伝えるための経典の守護者としての役割を持ち、広い心で人々に永遠の幸福や悟りの境地を教え導く存在でもあります。
すでに悟りを開いて仏になる資格があるにもかかわらず、あえて衆生に近いところにとどまって、救済することに力を注いでいるのです。
文殊菩薩は智慧を象徴する獅子に乗り、智慧の剣を手にしている
菩薩は、悟りを開く前の釈迦の姿がモデルとなっており、釈迦はインドの小国の王子だったため、きらびやかな貴族の姿をしています。
右手には間違った考えを切り正しい方向へ導く智慧の剣、左手には智慧を象徴する経典をのせた蓮華を持っています。
描かれ方によって、手にしているものに多少の違いがあり、左手には、どんな願いも叶える如意宝珠(にょいほうじゅ)のパワーが炎となってあふれ出る「火炎宝珠(かえんほうじゅ)」を持っていることも。
智慧を象徴するという獅子の背に、蓮の花をかたどった蓮華座をのせ、その上に座っています。
頭髪は、お団子のような髻(もとどり)を結っていることが特徴的で、一、五、六、八髻の4種があり、中でも5つの髻を結う五髻文殊(ごけいもんじゅ)が最も一般的な姿。
髻の数によって違った意味が込められており、5つは「敬愛」を意味しています。
文殊菩薩の起源|インドに実在したバラモン階級の人物がモデル?!
文殊菩薩は、かつてインドに実在した人物とも言われていおり、『文殊師利般涅槃経』(もんじゅしりはつねはんきょう)によれば、古代インドのコーサラ国の首都・舎衛国(しゃえこく)のバラモン階級の家に生まれたとされています(「バラモン」は、インドの身分制度の中で上位に位置する司祭の階級のこと)。
ずば抜けて頭が良く、仙人の元を訪ねて出家の方法を尋ねますが、文殊菩薩の先生になれるような人が見つからず、最終的にお釈迦さまに巡り会って出家したとか。
また別の説として、『大智度論』(だいちどろん)では、弥勒菩薩と阿難(あなん)と共同して大乗経典を編集、
『華厳経』では、南インドで布教活動を行い、般若波羅蜜を民衆に説いて、『般若経』を編集したと伝えられています。
文殊菩薩ならではの特徴、シンボルマーク(梵字)、持ち物などを紹介!
ここでは菩薩のうちの1尊である文殊菩薩の特徴やシンボルマーク(梵字)、持ち物などを紹介します。
① シンボルマーク(梵字)
梵字とは、仏様を1文字で表すシンボルマークです。
文殊菩薩の梵字は「マン」と読み、柔軟な心を表します。
② 若々しい姿
清浄な「智慧」を表すため、顔や体つきは若々しい姿をしています。
「智慧」は純粋無垢な子どもの性格にたとえられることから、童子の姿で表現されることも。
③ 手に持つ「智慧」の象徴
右手には、間違った考えを切り正しい方向へ導く「三鈷剣」(さんこけん)。
左手には、どんな願いも叶える「火焔宝珠」(かえんほうじゅ)や、経典をのせた蓮華を持っています。
パワーが炎となってあふれ出ている様子を表しています。
④ 髻
頭髪は、お団子のような髻(もとどり)を結っています。
一、五、六、八髻の4種があり、中でも5つの髻を結う五髻文殊(ごけいもんじゅ)が最も多く見られます。
⑤白毫(びゃくごう)
額に白く長い毛があり、渦を巻いています。
ここから光を放ち、世界を照らすとされています。
⑥智慧を表す獅子
立像も見られますが、獅子に乗っている姿が最も一般的。
「騎獅文殊(きしもんじゅ)」と呼ばれ、百獣の王である獅子の上に乗っていることで智慧の力の強さを表わしています。
ここからは他の神仏との関係やエピソードをみていこう♪
【文殊菩薩と他の神仏の関係】智慧の力を働かせて大活躍
文殊菩薩と普賢菩薩の関係|お釈迦様をサポートする名コンビ

文殊菩薩は独尊としても祀られますが、釈迦如来に仕える姿で表されている釈迦三尊像が有名です。
釈迦三尊像では、釈迦如来の向かって右側に「智慧」を受け持つ文殊菩薩、左側に「慈悲」を受け継ぐ普賢菩薩が侍し、釈迦如来をサポートする名コンビといった関係性が見られます。
これは、釈迦如来の教えを完全なものにするためには、「智慧」とそれに基づく「修行」の両方が大切であるというメッセージなのだとか。
文殊菩薩が獅子に乗っているのに対し、普賢菩薩は「悟りの実践」を象徴する白い象に乗っていて、あらゆるところにかけつけて衆生を救ってくれると考えられてきました。
「華厳経(けごんきょう)」によると、お釈迦様の素晴らしいご説法に誰もが言葉が出ない中、文殊菩薩と普賢菩薩だけは理解していた様子だったと伝えられています。
文殊菩薩と釈迦如来の関係|優れた知性を活かして、お釈迦様の教えを他の菩薩たちに伝えている
文殊菩薩は、菩薩の中でも優れた「智慧」を持つ存在であり、菩薩たちの集団のリーダーのような位置づけにあります。
リーダーとして、釈迦如来から教えを受け、その教えを他の菩薩たちに伝えるという重要な役割を担っていると伝えられてきました。
文殊師利法王子などともいわれ、「般若経」では文殊菩薩を相手に説かれる場面が数多く登場します。
『文殊師利般涅槃経』(もんじゅしりはつねはんぎょう)の中では、文殊菩薩は出家の法を求めて師を探したものの見つからず、最後にお釈迦様に巡り会って出家したと伝えられてきました。
また、お釈迦様の説法を理解したいと思う仏教者に、どうしたら難解な仏説を理解できるかの智慧を与えるという役割も受け持っています。
文殊菩薩と弥勒菩薩の関係|協力し合って釈迦如来の教えを大乗経典に編纂した
『大智度論』によると、釈迦如来の没した後、弥勒菩薩と阿難と文殊菩薩が共同して大乗経典を編纂したとされています。
弥勒菩薩は、補処(ふしょ)の菩薩ともいわれており、釈迦如来が亡くなった後の次の世、五十六億七千万年後の後世に出現されて、人々を救うことを約束された1尊です。
ある時、弥勒菩薩は、釈迦如来の眉間の白毫から放たれた不思議な光に照らし出された情景について、文殊菩薩に尋ねました。
すると、文殊菩薩は「過去世において多くの仏が説法した時も、このような光景があった後に大法が説かれたのであるから、きっとお釈迦様は妙法蓮華経という大法をお説きになるに違いない」と返したのだとか。
全宇宙的な真理の大法、未来に通じる真理が説かれようとしているプロローグであると、文殊菩薩は伝えたのでした。
文殊菩薩と維摩居士(ゆいまこじ)の関係|対等に問答ができる良きライバル
『維摩経』には、出家していない富豪である維摩居士(ゆいまこじ)と文殊菩薩の問答に関するエピソードがあります。
ある時、維摩が病気になったので、お釈迦様が誰か見舞いに行くようにと言いましたが、かつて維摩にやり込められた経験があり誰も行きたがりません。
最後に、お釈迦様が文殊菩薩に声をかけると、文殊菩薩だけが見舞いに行くことを了承しました。
すると、他の弟子たちも、ふたりの問答が聞けるとついていったのだそう。
維摩の家に到着した文殊菩薩は、病を見舞い、ふたりは対等な問答を繰り広げます。
最後に維摩が「悟りの世界とはどんなものか」と尋ね、菩薩たちは順に答えた後に「ぜひあなたのお考えを教えてください」と言いました。
しかし、維摩は沈黙したまま一言も言葉を発しません。
文殊菩薩は維摩を、「悟りというのは、言葉から離れた世界です。あなたの答えこそもっとも正しい」と褒め称えました。
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文殊菩薩のご利益や真言、祀られている有名なお寺を紹介!
文殊菩薩は、物事の正しい在り方を見極める力と判断力に優れ、その智慧で人々を悟りへ導くと伝えられています。
智慧の神様として有名な菩薩であり、そのご利益は、学業向上、学業成就、合格祈願です。
文殊菩薩のご利益
優れた智恵によって人々を導く
一緒に見ていこう!
文殊菩薩の真言とは?|智慧により幸せの道を生きる
真言とはサンスクリット語でマントラ(Mantra)と呼ばれる言葉で、「真実の言葉、秘密の言葉」を意味します。
文殊菩薩の真言は、「おん あらはしゃ のう」。
サンスクリットのアルファベットの最初の五文字「ア・ラ・パ・チャ・ナ」のことで、この真言を唱えることによって、学業成就、合格祈願など智慧にまつわるご利益が得られると言われています。
真言は、言葉の意味を理解しようとする必要はなく、唱えることによって仏と繋がり、ご利益が得られるという考えがあり、唱える行為そのものが大切。
さらに、唱える回数によって、得られるご利益に違いがある5と言われています。
10万回唱えれば、修行者はその苦労を取り除くことができるとされており、20万回、30万回、40万回でそれぞれご利益はレベルアップしていきます。
50万回唱えると、悟りを開くことができるのだとか。
まずは人の煩悩の数といわれる108回を目指してみるといいだろう。
おん あらはしゃ のう
文殊菩薩を祀るお寺|有名どころを紹介
お祭りや御朱印、お札についても紹介していくのでチェックしてみてくださいね。
安倍文殊院(奈良県桜井市)

奈良県桜井市にある安倍文殊院は、645年に創建された日本最古に属する寺院です。
ご本尊は快慶作の国宝、文殊菩薩像で、日本最大約7mのスケールを誇り、日本三文殊の第一霊場「奈良県・大和安倍の文殊」としても有名です。
また、陰陽師・安倍晴明公が祀られており、晴明公が使った秘術の中でも特に星を見て占う天文占星術は、文殊菩薩が著した経典として伝わる「文殊宿曜経」による影響も大きかったとされています。
文殊菩薩様と占いに関係があったなんて初耳でびっくりだわ!
文殊菩薩様は、天文道や占星術の祖としても仰がれるようになりました。
本堂の国宝・文殊菩薩を拝観すると記念品として「知恵のらくがん」というお菓子も人気。
また、金閣浮御堂霊宝館では、「七まいりおさめ札」を頂くことができ、お守り付きです。
智恩寺(京都府宮津市)

日本三景の一つ「天橋立」と隣接する京都府宮津市の智恩寺は、古来より文殊信仰の聖地として名高いお寺です。
904年、醍醐天皇より「天橋山智恩寺」の号を賜った年が創建年次とされています。
この地の伝承やその地形から「切戸(きれと)の文殊」とも呼ばれ、昔から親しまれてきました。
ご本尊の文殊菩薩は秘仏で、通常は拝観できませんが、年に5日のみ御開帳が行われます。
一年の福徳円満を願う御縁日があり、1月9日の宵恵比寿から文殊堂の御開帳が始まり、同時に各種御祈祷の受付や福棒の授与もなされます。
1月11日の後恵比寿までの3日間は、最も賑わい活気づく新年の風物詩。
「文殊菩薩」の種字が入った智恵の御守りを頂くことができます。
大聖寺(山形県高畠町)

山形県高畠町の松高山大聖寺は、俗称を亀岡文殊といい、日本三大文殊のひとつとして名高いお寺です。
ご本尊の文殊菩薩は、約1480年前に中国五台山より伝来し、伊勢国神路山に安置されていたのですが、約1200年前に移されてきました。
人々に「幸福と知恵をお授けくださること」を本願としており、昔から3年お参りすれば必ず良い知恵を授かり、子供が良く育ち、子孫に良い者が生まれ、身体堅固、厄払い、家内安全、商売繁盛及び交通安全が達せられると伝えられているそうです。
特に、試験などの合格祈願と学徳成就の守護仏として祈願者が絶えません。
竹林寺(高知県高知市)

高知県高知市にある竹林寺は、724年、聖武天皇の勅願を奉じた行基により、唐の五台山になぞらえて開創されました。
文殊菩薩の霊場として名高い唐の五台山に登り、仏教の奥義を授かるという霊夢を見た聖武天皇は、行基に国内で五台山に似た霊地を探し、伽藍を建立するように命ぜられたことが起源と伝えられています。
50年に1度開帳されていて、前回は2014年に行われましたが、2023年には開創1300年を記念し特別に拝観が可能となった時期がありました。
次回の御開帳は2064年になります。
文殊菩薩様とのご縁を深め一年を幸いに過ごしていただけるよう祈念する伝統行事で、金銀の水引で飾った五円(ご縁)硬貨や新年の縁起物を、舞台の上から僧侶が威勢よく振る舞います。
文殊菩薩がついてる人の特徴|守られているのはどんな人?
自分に当てはまるところがあるか、一緒にチェックしていきましょう♪
- 協調性が高く、愛されキャラ
相手の意見に耳を傾け、自分の意見を主張しすぎずバランスよく立ち振る舞うことができるため、人望が高いです。
愛嬌があり、素直な性格であるため、目上の人から引き立てを受けることも多いタイプ。
天真爛漫な性格で、自然と周囲の人を惹きつける魅力を持っています。 - 優しく穏やかで平和主義
優しく穏やかな性格で、優雅な雰囲気が魅力的です。
平和主義で争いは避けたいと考え、敵は作らず円満な人間関係を好みます。
自分が我慢すればいいと思って自己犠牲的になってしまう傾向や、周りの意見を優先しすぎて自分の本音が言えない傾向があることも。 - 礼儀正しく周囲から信頼されている
礼儀正しく、周囲の人に対して敬意を持って接することができるため、信頼される人柄です。
やや受け身で積極性に欠けることもあるかもしれませんが、控えめで出しゃばることがなく、スマートな人間関係を築くことができるのは、このタイプの方の長所といえます。 - 好奇心旺盛
知的好奇心が旺盛で、いろいろなことに興味を持って取り組むことができます。バイタリティにあふれていて、やってみたいことを次々と実現させて人生を楽しく充実させていけます。
【まとめ】智慧を司る文殊菩薩は菩薩の中でも別格の存在
たまさん、ぼーっとしちゃって、どうしたの?
完璧すぎて、ため息が出ちゃうわ。
智慧を司る文殊菩薩は、古来より、合格祈願や学業成就のご利益で人気を集めてきた1尊です。
他の神仏とのエピソードを辿っていくと、「 3人寄れば文殊の知恵」ということわざを裏付けるような、文殊菩薩のずば抜けた頭の良さを知ることができます。
成績アップや試験の合格に向けて頑張っている人は、ぜひ文殊菩薩がお祀りされている寺院を参拝したり、真言を唱えたりして、ご利益を頂いてみては?
文殊菩薩はいつでも私たちを見守ってくださり、力を授けてくださるはずですよ。
日本三大文殊を制覇したくなったの。
ご本尊が秘仏となっているお寺もあるから、御開帳の時期をしっかり調べてから行ってみるわ♪














